【銘柄分析】大和工業(5444):海外事業中心の電炉メーカー

本記事は銘柄に対する記載も含みますが、投資を推奨するものではありません。
また、本記事の内容は投稿時のものとなるため企業データの最新情報と異なる可能性があります。
あくまで自己判断での投資をしていきましょう!

今回は大和工業(やまとこうぎょう)です。

事業としては先日紹介した合同製鐵、共英製鋼と同じく電炉メーカーです。

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ただし、大和工業は売上の7割が海外事業となっている点が違いです。

本日4/30に発表された決算の内容も踏まえて分析していこうと思います。

 

大和工業の事業概要

会社名大和工業
業種鉄鋼
特徴姫路市に本社を置く独立系の電炉メーカーです。
1980年代から海外展開しており、子会社としてはタイにあるほか、韓国・米国・中東に関連会社(※)が存在します。
株価(投稿日時点)3290円
配当月3,9月

株式の50%超を保有する会社を子会社と呼ぶのに対して、株式の20~50%を保有する場合は関連会社となります。
子会社の場合は売上高や営業利益を連結して発表しますが、関連会社の場合は営業外収益・営業外費用への計上となります。

 

もともとは韓国にも子会社(YKH)がありましたが、2020年9月に新会社(YKS)に事業承継するとともに韓国の大韓製鋼社に株式の51%を売却しており、現在は関連会社となっています。

 

この結果韓国事業(YKH、YKS)の業績については8月分までは連結して売上高に計上されているものの、9月以降は売上高からは除外されており、前年度と売上高や営業利益を比較する際には考慮が必要となります。

 

大和工業の総合評価:89.65ポイント(60位/2824社中)

コロナ影響、原料の鉄スクラップ価格高騰、韓国での課徴金発生でダメージはあるが、財務はしっかりしている。
海外展開も順調。

4/30に発表された決算では売上高5.4%減、営業利益34.8%減、当期純利益66.2%減の減収減益でした。

売上や営業利益については韓国事業の譲渡も関係しますが、原因はメインの事業で大きく減収減益となった点と韓国での課徴金発生です。

 

まず事業について。

日本とタイでそれぞれ以下のように売上高、営業利益が変動しています。

日本タイ
売上高481億円
→404億円
669億円
→521億円
営業利益(セグメント利益)61億円
→32億円
53億円
→56億円

 

タイでは増益になっていますが日本では減益しています。

ともにコロナ影響で建築需要が落ち込んだこと、タイでは輸入品に押されていることから売上が下がっています。

そんな中でもタイではコスト削減等で増益になっています。

 

また当期純利益の大幅減益ですが、こちらは韓国での課徴金が原因です。

YKH時代(大和工業の子会社であった時期)の鉄スクラップ取引に対して公正取引法違反があったとして約39億円の課徴金納付命令を受けました。

これによる損失負担が特別損失として発生しており結果として当期純利益が大きく減少しています。

 

2022年3月期会社予想では売上高22.8%減、営業利益48.8%減、当期純利益415.5%増の減収増益予想となっています。

これは2021年3月期には売上高・営業利益に算入されていた韓国事業が計上されなくなることが原因です。

韓国事業の2021年3月期への影響は売上高339億円、営業利益25億円でしたので、これを加味して売上高・営業利益を計算すると以下となります。

2022年3月期予想133,000百万円(+29.5%8,000百万円(+6.5%
2021年3月期実績(韓国事業なし)102,174百万円7,511百万円

 

実質的には増収増益予想だということが分かります。

 

大和工業の配当のポイント:今の利回りはどうか、今後増配しそうか?

利回りは物足りないが増配ペースはうれしい。

配当指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

先日KDDIの銘柄分析について投稿してみました。 今後も似たようなかたちでいろいろな銘柄について書いてみようと思っていま…

利回り(投稿日時点)2.43%
配当推移(2016年~)45円(2016)→50円(2017)→50円(2018)→65円(2019)→100円(2020、記念配当20円含)→80円(2021)→80円(2022予想)
2016年からの増配率+78%
2018年からの増配率+60%
配当姿勢業績連動(配当性向30%目安、下限50円)

業績に応じた利益配分を行うことを基本方針とし、連結配当性向30%を目処に毎期の配当額を決定するとともに、継続的かつ安定的な配当の維持にも努め1株当たり最低配当額を年間50円といたします。
(投資家の皆様へ 大和工業のご紹介より)

4/28時点では利回り2.5%を超えていましたが決算発表を受けて株価が上がり、2.4%台となりました。

海外展開も順調で2020年までの増配は順調で、減配も2011年以降はありません。(2021年は記念配当がなくなっただけなので考慮外)

2021年3月期では配当性向が100%を超えましたが、減配を避けた点でプラス評価です。

 

高炉に比べて二酸化炭素の排出量の少ない電炉はトレンドでもあるので、今後の増配に期待するのもありでしょう。

 

 

大和工業の財務のポイント:業績が悪化しても事業を継続できるか、配当を維持できるか?

基本的には非常に財務健全だが、積極投資の一方でフリーキャッシュフロー赤字は多い。
今後回収できるか。

財務指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第2弾です。 第1弾の配当についての解説は以下をご覧ください。 目次 1 財務のポイントとは?1.…

営業CFここ10年で赤字なし。
フリーCFここ10年で5回赤字あり(2011-2014,2018)。
自己資本比率84.0%
配当性向106.3%

 

営業キャッシュフローは赤字がなく、自己資本比率もかなりの高水準ですので財務は文句なしです。

 

主な競合他社の自己資本比率は以下のとおりです。

東京製鐵:72.8%

合同製鐵:46.9%

共英製鋼:55.2%

 

大和工業の成長性のポイント:今後事業が成長しそうか?

変動は大きく判断は難しい。横ばい?

成長性指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第3弾です。 第1弾の配当についての解説、第2弾の財務についての解説はそれぞれ以下をご覧ください。…

過去3年間の売上成長(1年あたり平均)-7.6%
過去3年間の純利益成長(1年あたり平均)-19.8%
過去3年間の営業利益率6.1%

 

2021年3月期がコロナ等の影響で大きく減収減益となっており数字上は見栄えが悪いのですが過去最高益は2009年であり2019年の結果がそれに続いています

それを踏まえると横ばいと言えるのかなといったところです。

 

関連会社も多いため、売上というよりは経常利益や当期純利益で比較するのがいいかもしれません。

 

大和工業の割安度合い:今の株価は割安か?

業界内では平均的な水準。

ポートフォリオ運用する上での補正の考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント最終回、ポートフォリオ構築のための微調整編です。 第1弾の配当について、第2弾の財務について、第3…

PER(時価総額÷当期純利益)12.7倍
PBR(時価総額÷純資産)0.68倍
ミックス係数(PBR×PER)(※)8.636

※ベンジャミン・グレアム氏が提唱した指標で、企業のBS・PL両方の観点から企業の株価の割安性を見極める指標で低いほど割安となります。
グレアム氏が割安としていた目安は22.5です。

 

競合となる会社で言うと以下のような数値です。

東京製鐵:PER 11.0倍、PBR 0.93倍、ミックス係数 10.23

合同製鐵:PER 18.2倍、PBR 0.27倍、ミックス係数 4.914

共英製鋼:PER 11.7倍、PBR 0.42倍、ミックス係数 4.914

 

その他:景気影響は大きいか、セクター的には積極的に購入すべきか。

製造の中心であり景気敏感株。

業種:鉄鋼

景気敏感株か:○

 

大和工業の株価:含み損益はどうなるか?

直近では景気回復期待で絶好調。
長期では業績と同じくリーマンショック前を超えられないまま。

<過去1年間のチャート>(TradingViewより)

<2002年以降のチャート>(TradingViewより)

コロナ後の景気回復期待で直近の株価は好調です。

以下の記事でも見たように、鉄鋼業界全体としても最近はTOPIX以上の伸びを示しています。

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ESGの流れもあるのでここからさらに過去最高値を超えると考えるのか、これまで通り2500円前後の株価になるため今が割高とみるか判断が難しいところですね。

 

おわりに

今回は大和工業を分析しました。

前々期、前期と業績は振るいませんでしたが今期は実質的に増収増益見込みで、ここからまた伸びる可能性もあります。

判断が難しい銘柄ではありますが今後も期待です。

 

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