【銘柄分析】スプリックス(7030):成長性ある学習塾だが株価は右肩下がりの難しい銘柄

本記事は銘柄に対する記載も含みますが、投資を推奨するものではありません。
また、本記事の内容は投稿時のものとなるため企業データの最新情報と異なる可能性があります。
あくまで自己判断での投資をしていきましょう!

今回はスプリックスです。

利回りも3%を超えており、財務も問題なし、業績も昨年はコロナ影響があったとはいえそれまでは右肩上がりの会社ですが、株価は上場以来下がり続けています

今後の見通しが難しい企業ではありますが分析してみます。

事業概要

会社名スプリックス
業種サービス業
特徴個別指導学習塾「森塾」を中心とした学習塾を展開しています。
定期テストで1科目20点以上成績が上がることを保証する成績保障制度が特色で、東京圏を中心として直営・FCで約280教室を展開しています。
株価(投稿日時点)951円
配当月3,9月

 

総合評価:90.77ポイント(50位/2717社中)

配当・財務・成長性ともに優れた会社。
一方で業績の悪材料は徐々に出てきており、株価の右肩下がり度合いは注視が必要。

配当利回りも3%を超えており、一方で自己資本比率も70%超(注意:最新の四半期決算では43.7%)とかなりの数字です。

実際に利用している親御さんからの評価も高いようです。

2019年までは10%を超える成長を続けてきていました。

 

2018年上場のグロース企業であり投資家の期待もあって割高傾向ですが、期待に応えられるほどの成長性までは出せず株価は右肩下がりです。

また、コロナの影響もあるのでしょうが拡大の反面収益率の悪化も数字に出てきており、競合他社と比較しても業績悪化の一番の原因はコロナではない部分のようにも思えます。

配当のポイント:今の利回りはどうか、今後増配しそうか?

上場以降の増配は1円のみ。今期は配当性向100%超予想であり当面はなさそう。

配当指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

先日KDDIの銘柄分析について投稿してみました。 今後も似たようなかたちでいろいろな銘柄について書いてみようと思っていま…

利回り(投稿日時点)3.26%
配当推移(2016年~)2.93円(2016)→16.13円(2017)→35円(2018)→31円(2019)→31円(2020)→31円(2021予想)
※上場は2018年であり、2018年は上場記念配当5円を含む
2016年からの増配率+958%(上場前の配当額であり参考値)
2018年からの増配率-11%(記念配当を抜きにすると+3%)
配当姿勢配当性向30%をベースとした安定配当

(2020年9月期決算説明資料より)

 

積極的に拡大を行う都合上資金調達が膨らんでしまい利息が大きいことが理由と思われますが、配当性向の計算はEBITDAベースで行っています。

 

これってどうなんでしょうか。

たしかに資金の借り入れが大きいことで実際に稼ぐ力がどれほどなのか見づらくなってしまうため、業績を見る指標としてEBITDAを採用することは分かるのですが、配当までEBITDAベースにしてしまうと上の表示もあるように会計上の儲け(当期純利益)を上回る配当でも問題ないことになります

これって実際には借金して配当支払うことになるのではと思うのですが…。

なんとなく都合のいい指標を選んでいるような印象があります。

 

増配については2018年上場ということもありまだまだ傾向は見えないところです。

 

グロース企業で利回り3%というのは珍しいので、そういった意味では今後の成長に賭けてみるというのはありかもしれません。

 

財務のポイント:業績が悪化しても事業を継続できるか、配当を維持できるか?

高い自己資本比率!

財務指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第2弾です。 第1弾の配当についての解説は以下をご覧ください。 目次 1 財務のポイントとは?1.…

営業CFここ4年で赤字なし。
フリーCFここ4年で赤字なし。
自己資本比率70.2%
配当性向46.2%

 

営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフローで赤字がないというのは安心材料ですね。

また、自己資本比率も70%を超えており十分な水準です。

ただし、直近の四半期決算では湘南ゼミナール買収によるものと思われますが自己資本比率43.7%という数字が出ています。

主な競合他社の自己資本比率は以下のとおりです。

明光ネットワーク:67.5%

リソー教育:45.9%

東京個別指導学院:72.7%

 

成長性のポイント:今後事業が成長しそうか?

2020年以降悪化。コロナ影響の一言で済ませられるのか?

成長性指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第3弾です。 第1弾の配当についての解説、第2弾の財務についての解説はそれぞれ以下をご覧ください。…

過去3年間の売上成長(1年あたり平均)13.1%
過去3年間の純利益成長(1年あたり平均)11.5%
過去3年間の営業利益率20.9%

 

3年間の売上成長率、純利益成長率については2017年と2020年の結果をもとに算出しているため2ケタ成長となっています。

実際には売上は+22.9%(2018)→+9.2%(2019)→+3.8%(2020)で、純利益は+80.5%(2018)→+13.2%(2019)→-35.1%(2020)となっており、売上の増加も鈍化してきており純利益では2020年は減益となりました。

原因としては人件費・新規開校費用・広告宣伝費等の増加によるマイナスが売上の増加分でカバーできていないためで、新しく宣伝したり開校したりするものの生徒の集まりが悪くペイできていないことを指しています。

(2020年9月期決算説明資料より)

 

今後も教室数は積極的に増やす方針とのことですが、採算が悪くなるだけにならないかが懸念材料です。

(2020年9月期決算説明資料より)

 

割安度合い:今の株価は割安か?

グロース企業らしい割高感だが競合と比較するとそうでもない。

ポートフォリオ運用する上での補正の考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント最終回、ポートフォリオ構築のための微調整編です。 第1弾の配当について、第2弾の財務について、第3…

PER(時価総額÷当期純利益)57.3倍
PBR(時価総額÷純資産)1.98倍
ミックス係数(PBR×PER)(※)113.454

※ベンジャミン・グレアム氏が提唱した指標で、企業のBS・PL両方の観点から企業の株価の割安性を見極める指標で低いほど割安となります。
グレアム氏が割安としていた目安は22.5です。

競合となる会社で言うと以下のような数値です。

明光ネットワーク:PER 55.5倍、PBR 1.59倍、ミックス係数 88.245

リソー教育:PER 49.3倍、PBR 8.36倍、ミックス係数 412.148

東京個別指導学院:PER 11184倍、PBR 4.3倍、ミックス係数 48,091.2

東京個別指導学院のPER・PBRはものすごいですね。。

 

株価:含み損益はどうなるか?

上場以来右肩下がり。期待感が薄まる一方。

<過去1年間のチャート>

<上場以来のチャート>(TradingViewより)

過去1年は市場全体が株高になったことを考慮すると物足りない印象。

上場以来のチャートでは明らかに右肩下がりとなっています。

上場当初は売上・利益の伸びが著しくかなりの期待をされていたのですが、その後の業績では期待に応えられるほどの結果を出せず失望されてしまっています。

 

適正株価を考えるのは難しいのですが、私は利回り3%を超えている今であれば問題ないのではと考えています。

ただ今後も減益になるようであれば減配も当然行われるでしょうし厳しくなります。

 

投資する場合には拡大するための初期投資による一時的な採算悪化という風に考えて、減配または減収が発生するようなら即売却といったように売却シナリオをきちんと決めておく必要があるでしょう。

もちろん長い目で見ると少子高齢化の影響は考えられますが、過去拡大できていたわけですし少子高齢化を理由として投資しないとまではいかない印象です。

 

その他:景気影響は大きいか、セクター的には積極的に購入すべきか。

授業料自体は景気に左右されずストック収益とも呼べるのは好材料。

業種:サービス業

景気敏感株か:×

 

おわりに

最初にスプリックス社を知ったのは2020年9月決算を見る前だったこともあり、財務も優秀で平均すると2桁%の成長をしている会社がどうしてここまで株価が右肩下がりなのか分かりませんでした。

今でも決算発表後にガクっと下がるというよりもじりじり下がり続けるチャートになるのはなかなか理解が難しいところがあります。

しかし、従業員と思われる人からのあまりよくない口コミがあったり、創業者の株式保有比率の減少が2度行われていたりなど、優良株だとはなかなか言い切れない理由が見つかってきました。

 

あまり博打で資産運用するのはよくないのですが、親御さんからの評価はどうも高そうということもあり今後の成長に期待してみるのもいいかなと思って、私は投資しています。

業績など数字にあらわれる部分、あらわれない部分がありますが、しっかりと見極めて投資していきましょう。

 

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