【銘柄分析】パシフィックシステム(3847):業績は年々成長も増加する親会社依存度

本記事は銘柄に対する記載も含みますが、投資を推奨するものではありません。
また、本記事の内容は投稿時のものとなるため企業データの最新情報と異なる可能性があります。
あくまで自己判断での投資をしていきましょう!

今回はパシフィックシステムです。

情報通信としては過去KDDIやアルテリアネットワークスを取り上げていましたが、システム開発会社としては初めてですね。

 

 

パシフィックシステムの事業概要

会社名パシフィックシステム
業種情報・通信
特徴日本最大のセメントメーカーである太平洋セメントのシステム開発子会社です。製造業・流通業・金融業等向けに情報サービス事業を展開しており、画像処理に強みを持ちます。
株価(投稿日時点)3320円
配当月3月

 

パシフィックシステムの総合評価:87.67ポイント(74位/2717社中)

コロナ前は毎年10%弱の業績成長増配率も10%
ただしここ数年で親会社からの売上比率が増加しており依存度には注意

いわゆるSIerで、顧客企業へのシステム導入や運用保守を行っています。

事業ごとの売上比率としては運用保守とパッケージシステム販売が3割、受託開発が2割、機器販売が2割程度となっています。

(決算資料より)

 

太平洋セメントのシステム子会社ということで、当然ながら親会社からの売上が多くを占めます

過去の決算短信から過去6年分の比率を計算すると以下となります。(単位:千円)

売上全体太平洋セメント親会社の売上比率
2020年¥10,813,200¥3,241,22329.97%
2019年¥10,423,221¥2,530,15824.27%
2018年¥9,624,709¥2,159,57522.44%
2017年¥8,877,784¥2,035,21022.92%
2016年¥8,312,675¥1,888,57422.72%
2015年¥8,829,279¥1,899,91221.52%

 

2015年には太平洋セメントからの売上は全体の21.5%でしたが年々増加傾向で、2020年には30%となっています。

子会社なので当然ではあるのですが、1つの会社から3割ものの売上が上がっていることは懸念材料です。

今のところは親会社の業績も安定しているため、あくまで「懸念材料」であって問題ではありません。

親会社である太平洋セメントの業績は以下となっています。(IR BANKより)

 

パシフィックシステムの配当のポイント:今の利回りはどうか、今後増配しそうか?

2021年も無事増配が決定で7年連続増配
減益局面でも増配したことから増配へのこだわりは強そう。

配当指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

先日KDDIの銘柄分析について投稿してみました。 今後も似たようなかたちでいろいろな銘柄について書いてみようと思っていま…

利回り(投稿日時点)3.77%
配当推移(2016年~)75円(2016)→85円(2017)→100円(2018)→110円(2019)→120円(2020)→125円(2021予想)
2016年からの増配率+60%
2018年からの増配率+25%
配当姿勢業績連動(配当性向30~50%)

弊社の配当政策は内部留保の充実を図りながら、業績に応じて積極的に利益還元を行うことを基本方針としており、当社連結業績における配当性向30%~50%を目安としております。
(2021/03/29 2021年3月期の連結業績予想及び配当予想の修正(上方修正)に関するお知らせより)

2021年予想は長らく110円の配当となっていましたが、権利確定日である2/29に業績の上方修正および増配が発表されました

EPSは2020年3月期では357.49円だったのが2021年3月期予想は261.69円であり、業績の上方修正を行ったにしても減配してもおかしくありませんでした

親会社の意向もあるのではとも想像しますが、増配に対してある程度こだわりがありそうです。

 

過去をさかのぼると2011年に減配をしているもののその後は減配していません。

配当維持も2014年3月期の1回のみとなっています。

 

ここ2,3年でキャッシュもしっかり蓄えており、基本的に増配すると考えても問題はなさそうです。

 

パシフィックシステムの財務のポイント:業績が悪化しても事業を継続できるか、配当を維持できるか?

先行投資の多い不動産業にはよくあるCF赤字。とはいえ自己資本比率も低めで財務には不安あり。

財務指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第2弾です。 第1弾の配当についての解説は以下をご覧ください。 目次 1 財務のポイントとは?1.…

営業CFここ10年で赤字なし。
フリーCFここ10年で2回赤字あり(2011-2012)。
自己資本比率58.9%
配当性向33.6%

 

人が動いて稼ぐタイプのビジネスモデルでありこういった会社は固定資産が少なく済むため、財務が優秀なケースが多い印象です。

パシフィックシステムもキャッシュフロー、自己資本比率ともに文句なしの状態です。

 

主な競合他社の自己資本比率は以下のとおりです。

TDCソフト:72.7%

東邦システムサイエンス:68.7%

大興電子通信:33.0%

 

パシフィックシステムの成長性のポイント:今後事業が成長しそうか?

親会社からの売上も大きく業績としては右肩上がり。

成長性指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第3弾です。 第1弾の配当についての解説、第2弾の財務についての解説はそれぞれ以下をご覧ください。…

過去3年間の売上成長(1年あたり平均)7.3%
過去3年間の純利益成長(1年あたり平均)9.9%
過去3年間の営業利益率7.3%

 

冒頭に書いた親会社からの売上増加もあって、売上は2017年から増収、純利益は2016年から増益を繰り返しています。(2021年は減収減益予想)

しかし、親会社である太平洋セメントからの売上を除くと2020年はマイナスとなっており、単純に売上だけを見ていいかとなるとそういうわけにもいきません。

もちろん他社に割くリソースを親会社からの案件に割いているわけなので、「親会社がいなければ減収だった」とは言えないのですが……。

このあたりの判断は人によって分かれてくるところですね。

 

パシフィックシステムの割安度合い:今の株価は割安か?

割安銘柄。

ポートフォリオ運用する上での補正の考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント最終回、ポートフォリオ構築のための微調整編です。 第1弾の配当について、第2弾の財務について、第3…

PER(時価総額÷当期純利益)12.7倍
PBR(時価総額÷純資産)0.97倍
ミックス係数(PBR×PER)(※)12.319

※ベンジャミン・グレアム氏が提唱した指標で、企業のBS・PL両方の観点から企業の株価の割安性を見極める指標で低いほど割安となります。
グレアム氏が割安としていた目安は22.5です。

競合となる会社で言うと以下のような数値です。

TDCソフト:PER 16.0倍、PBR 1.87倍、ミックス係数 29.92

東邦システムサイエンス:PER 15.3倍、PBR 1.53倍、ミックス係数 23.409

大興電子通信:PER -倍、PBR 0.89倍、ミックス係数 –

 

その他:景気影響は大きいか、セクター的には積極的に購入すべきか。

顧客企業の動向に左右されるため無関係ではいられないが景気影響は小さい。

業種:情報・通信

景気敏感株か:×

 

パシフィックシステムの株価:含み損益はどうなるか?

業績とともに右肩上がり。コロナ前の水準を回復して過去最高値圏。

<過去1年間のチャート>(TradingViewより)

<2007年以降のチャート>(TradingViewより)

業績が安定して伸びてきていることもありチャートも右肩上がりです。

コロナショック後の回復は早かったものの、その後夏ごろに落ち込みましたが、3月末の業績の上方修正および増配の発表で再び回復しています。

 

おわりに

IT需要は着実に伸びており、システム開発会社は人をしっかり確保できれば業績を成長させられる状況です。

一方で、親会社の影響が大きいことや決算説明資料が古臭い部分(意外とシステム開発会社には多い)など気になる点はいくつかあります。

 

それでも利回りも高く一定の成長性もあることから、ポートフォリオに加えてもいい銘柄と呼べそうです。

 

その他の銘柄分析記事は以下にまとめています。

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