【銘柄分析】出光興産(5019):EVにも進出する石油元売り企業

本記事は銘柄に対する記載も含みますが、投資を推奨するものではありません。
また、本記事の内容は投稿時のものとなるため企業データの最新情報と異なる可能性があります。
あくまで自己判断での投資をしていきましょう!

今回は出光興産です。

ガソリンスタンドも数多く知名度は高い会社ですね。

 

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2020年度決算発表の分析を以下の記事で行いました。

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出光興産の事業概要

会社名出光興産
業種石油・石炭製品
特徴燃料石油の元売りが主な事業です。
2019年に昭和シェル石油と経営統合しており、ENEOS HDに次いで現在は石油元売り2位となっています。
石油元売りのイメージが強いですが、電子部品である有機EL材料の大手でもあり、日本、韓国、中国で大きなシェアを持っています。
株価(投稿日時点)2691円
配当月3,9月

 

総合評価:90.45ポイント(47位/2717社中)

2021年予想では減配だが2019年水準よりは上。
石油元売りらしい高配当株。

昨年には原油先物価格がマイナスになるなど波乱もあった石油業界ですが、直近では価格が上昇してきておりコロナ前と同水準になってきています。

業績もそれに伴って回復してきており、まだまだ投資し甲斐はあると考えています。

 

また、今後のトレンドとしてEVにも力を入れておりタジマモーター社と超小型EVの開発を行う「株式会社出光タジマEV」を設立しました。

近隣営業でクルマが必要なものの車両稼働率の低い営業職層や、軽自動車でもオーバースペックになる高齢者を対象としており、年間100万台程度の需要があると見込んでいます。

2021/02/16 「株式会社出光タジマ EV」設立に関するお知らせ より)

 

脱炭素の流れはもちろん無視できませんが、社会のあちらこちらで石油は利用されており、少なくとも数年は安泰でその後は社会の流れとどのように折り合いをつけられるかにかかってくると考えています。

 

出光興産の配当のポイント:今の利回りはどうか、今後増配しそうか?

業績は不安定だがそれに比べると配当は安定。ただし2020年は初の減配。

配当指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

先日KDDIの銘柄分析について投稿してみました。 今後も似たようなかたちでいろいろな銘柄について書いてみようと思っていま…

利回り(投稿日時点)4.46%
配当推移(2016年~)50円(2016)→50円(2017)→80円(2018)→100円(2019)→160円(2020)→120円(2021予想)
2016年からの増配率+220%
2018年からの増配率+100%
配当姿勢2021年までは配当性向50%以上、2022年以降は一株配当160円を下限として業績に応じて増配方針

(1) 2019~2021 年度
総還元性向 50%以上の株主還元を実施します。
・2018 年 10 月公表の通り、一株当たり配当金 160 円を下限とし、株主還元額の 10%以上を自己株式取得に充てる
・なお、取得した自己株式については消却を予定
(2) 2022 年度以降
一株当たり配当金 160 円を下限として、収益水準に応じた増配・機動的な自己株式取得などの更なる株主還元を検討します。
・成長への戦略投資、財務体質強化など、キャッシュバランスを総合的に勘案の上、2021年度中に最終方針を決定
(中期経営計画(2020~2022年度) より)

株主への利益還元が経営上の重要課題であるとの認識のもと、統合効果の実現を通じ着実に収益を確保し、株主還元を実現します。2019 年度〜2021 年度の当期純利益目標を累計 5,000 億円以上とし、このうち 50%又はそれを上回る株主還元の実施を目指します(なお、各事業年度毎に当該株主還元額の 10%以上を自己株式取得に当てる予定です。)。
(2018/10/16 株式交換契約の締結及び経営統合に関するお知らせより)

 

昭和シェル石油との経営統合発表時に配当性向50%という目標が発表されました。

その後中期経営計画にて一株配当を最低160円とする旨発表され、これにあわせるかたちで増配が行われています。

中期経営計画が発表された2019年の配当が100円で利回りとしても2.7%程度でしたが、株価の下落やコロナショックもあって一時利回りが6%を超えました。

 

さすがにそこまでの利回りではないですが今時点でも4.5%近い利回りになっています。

中期経営計画通りとするとすぐにまた増配されて160円になるのではとも思えますが、2021年3月期でも中期経営計画で下限とされた160円を下回る配当となっており、もうすぐ出る決算発表で2022年3月期の配当予想が出るかどうか含めて注目です。

 

出光興産の財務のポイント:業績が悪化しても事業を継続できるか、配当を維持できるか?

先行投資の多い不動産業にはよくあるCF赤字。とはいえ自己資本比率も低めで財務には不安あり。

財務指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第2弾です。 第1弾の配当についての解説は以下をご覧ください。 目次 1 財務のポイントとは?1.…

営業CFここ10年で1回赤字あり(2020)。
フリーCFここ10年で4回赤字あり(2013-2014,2017,2020)。
自己資本比率29.6%
配当性向(赤字のため計算不可)

 

必要な設備投資の額が大きいため、フリーキャッシュフローが赤字の年は散見されます。

また、2020年レベルで原料価格の下落が発生すると営業キャッシュフローも赤字です。

 

国内競合他社と比較すると自己資本比率はそこまで低くないのですが、アメリカにあるような超大手石油会社は自己資本比率が40~55%あります。

そのため特に業界固有で低くても問題ないというわけではありません

主な競合他社の自己資本比率は以下のとおりです。

ENEOS HD:28.8%

コスモエネルギーHD:14.6%

(参考)エクソンモービル:47.23%

(参考)シェブロン:54.92%

(参考)ロイヤル・ダッチ・シェル:40.95%

 

出光興産の成長性のポイント:今後事業が成長しそうか?

2019年の昭和シェル石油との経営統合もあって参考値。

成長性指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第3弾です。 第1弾の配当についての解説、第2弾の財務についての解説はそれぞれ以下をご覧ください。…

過去3年間の売上成長(1年あたり平均)29.8%
過去3年間の純利益成長(1年あたり平均)-(2020年純利益が赤字のため計算不可)
過去3年間の営業利益率3.1%

 

出光興産の割安度合い:今の株価は割安か?

コロナショックで利益が回復しきっていないため予想PERが高く数字上は割高だが2022年業績予想から見ると8~9倍程度になる見込み。

ポートフォリオ運用する上での補正の考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント最終回、ポートフォリオ構築のための微調整編です。 第1弾の配当について、第2弾の財務について、第3…

PER(時価総額÷当期純利益)53.3倍
PBR(時価総額÷純資産)0.73倍
ミックス係数(PBR×PER)(※)38.909

※ベンジャミン・グレアム氏が提唱した指標で、企業のBS・PL両方の観点から企業の株価の割安性を見極める指標で低いほど割安となります。
グレアム氏が割安としていた目安は22.5です。

競合となる会社で言うと以下のような数値です。

ENEOS HD:PER 17.2倍、PBR 0.68倍、ミックス係数 11.696

コスモエネルギーHD:PER 4.1倍、PBR 0.83倍、ミックス係数 3.403

 

その他:景気影響は大きいか、セクター的には積極的に購入すべきか。

景気影響自体はあまり受けず、一般的には不況に強い業界

業種:石油・石炭製品

景気敏感株か:×

 

出光興産の株価:含み損益はどうなるか?

短中期的な波は激しいが、長期的には安定。

<過去1年間のチャート>(TradingViewより)

<2007年以降のチャート>(TradingViewより)

原油価格が影響はするものの、必ずしも連動するわけではありません。

2018年の高騰はちょうど昭和シェル石油との経営統合が発表されたあたりですね。

その後株価は下落していますが、落ち着いたというのが正確な表現で実際にシナジー効果も計画を上回って出せているようです。

チャート的には2000円台前半が妥当なのかなという印象もありますが、個人的には3000円以内であれば保有対象に入ってくるのかなと思っています。

 

おわりに

このブログでは初めての石油・石炭製品業界からの紹介でした。

時代の流れを考えるとなかなか長期的な見通しを立てるのが難しいところもありますが、まだまだ脱炭素は一般レベルで広まる段階には至っておらず、形になってくるまでは保有していたい銘柄です。

そもそも高配当投資しているとこういった会社が多くなるのは仕方のないところで、どこで見切りをつけるかが大事なのかなと思っています。

出光の場合はEV社会でも生き残ろうとする動きも見られるので、投資はしやすい印象です。

 

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