【銘柄分析】北海道ガス(9534):ガス会社の中では高配当

本記事は銘柄に対する記載も含みますが、投資を推奨するものではありません。
また、本記事の内容は投稿時のものとなるため企業データの最新情報と異なる可能性があります。
あくまで自己判断での投資をしていきましょう!

今回は北海道ガスです。

インフラといえば伝統的にディフェンシブではありますが、ガス会社は全体的に利回りが低めです。

そんな中でも利回りが3%を超えている北海道ガスを取り上げます。

 

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2020年度決算発表の分析を以下の記事で行いました。

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事業概要

会社名北海道ガス
業種電気・ガス業
特徴北海道西部を地盤とする地方ガス会社です。
電力販売も手掛けており、法人向けには天然ガス・ボイラー・ガスコージェネレーションシステムを提供しています。
株価(投稿日時点)1561円
配当月3,9月

 

総合評価:99.52ポイント(13位/2717社中)

電力顧客獲得で成長あり。ディフェンシブな高配当銘柄として。

原料価格高騰に伴って足もとの採算は悪化していますが、ガス会社で利回り3%は高いです。

コロナ影響としては家庭向けが巣ごもり需要で伸びたものの、法人向けの落ち込みが大きくなっておりトータルではマイナスです。

 

配当のポイント:今の利回りはどうか、今後増配しそうか?

安定の配当。近年は増配もあり。

配当指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

先日KDDIの銘柄分析について投稿してみました。 今後も似たようなかたちでいろいろな銘柄について書いてみようと思っていま…

利回り(投稿日時点)3.20%
配当推移(2016年~)40円(2016)→40円(2017)→40円(2018)→45円(2019)→50円(2020)→50円(2021予想)
2016年からの増配率+25%
2018年からの増配率+25%
配当姿勢安定配当

剰余金の配当等につきましては、継続的かつ安定的に配当を行うことを基本方針といたします。年間配当につきましては、1株につき30円の配当額水準を確保し、連結配当性向につきましては、短期的な利益変動要因を除き、30%を下回らないことを当面の基準といたします。そのうえで、企業体質及び競争力の強化ならびに事業展開に必要な設備投資等のための内部留保と併せまして、株主のみなさまへの適切な利益還元に努めてまいります。

(2020年3月期 決算短信より)

現状の配当は1株あたり50円ですが、方針としては30円が最低水準となっています。

配当性向は2020年度で22.3%となっていますが、2021年度は減益予想となっており配当性向は44%程度になる見込みです。

もし今後2020年度並みの利益となった場合には65円くらいまで段階的に増配することもありえるのではと考えています。

 

財務のポイント:業績が悪化しても事業を継続できるか、配当を維持できるか?

巨額投資が必要な事業ということを差し引いてもフリーキャッシュフロー赤字が多い。
営業キャッシュフローは黒字のため一安心だが他ガス会社よりは財務は弱い。

財務指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第2弾です。 第1弾の配当についての解説は以下をご覧ください。 目次 1 財務のポイントとは?1.…

営業CFここ10年で赤字なし。
フリーCFここ10年で7回赤字あり(2011-2014,2017-2019)。
自己資本比率32.2%
配当性向22.3%

インフラ会社のため事業としての安定感はあるのですが、財務を見てみると他社よりも弱いことが分かります。

営業キャッシュフローは毎年黒字なのですが、借金をして設備投資を繰り返しているような格好です。

他社と比較してもここまでフリーキャッシュフロー赤字の頻度は多くないため、北海道ガス特有の理由があるのではという点が気になります。

 

主な競合他社の自己資本比率、ここ10年のフリーキャッシュフロー赤字回数は以下のとおりです。

東京ガス:45.2%、2回(2011,2019)

広島ガス:46.0%、4回(2012,2014,2017,2019)

北陸ガス:75.0%、1回(2019)

静岡ガス:69.4%、なし

 

成長性のポイント:今後事業が成長しそうか?

電力参入で成長しているが、原料費が高騰している点がネック。

成長性指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第3弾です。 第1弾の配当についての解説、第2弾の財務についての解説はそれぞれ以下をご覧ください。…

過去3年間の売上成長(1年あたり平均)15.1%
過去3年間の純利益成長(1年あたり平均)68.3%
過去3年間の営業利益率3.3%

 

2016年から売電事業に参入しており、同じ年に出された中期経営計画では以下のように目標が出されていました。

(中期経営計画より)

 

2020年3月期の決算短信では以下のような結果となっています。

件数では14万件の目標に対して17万超とクリア、販売量も10億kWhの目標に対して9.7億kWh弱ですのでほぼ目標通りと呼んでいいかと思います。

ここ最近売上・利益が伸びているのはこの電力事業の伸びが大きいです。

最新(12月)の第3四半期決算では顧客件数を18.7万件に伸ばしており、事業基盤としては順調に成長しています。

 

一方で高値の原料在庫消化や火力発電設備稼働による償却費増で利益は圧迫されています。

2020年にはEPSが224.6円まで増えましたが、再びこの水準に戻すには時間がかかりそうです。

 

割安度合い:今の株価は割安か?

ガス会社の中では割安な部類。

ポートフォリオ運用する上での補正の考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント最終回、ポートフォリオ構築のための微調整編です。 第1弾の配当について、第2弾の財務について、第3…

PER(時価総額÷当期純利益)13.7倍
PBR(時価総額÷純資産)0.57倍
ミックス係数(PBR×PER)(※)7.809

※ベンジャミン・グレアム氏が提唱した指標で、企業のBS・PL両方の観点から企業の株価の割安性を見極める指標で低いほど割安となります。
グレアム氏が割安としていた目安は22.5です。

 

競合となる会社で言うと以下のような数値です。

東京ガス:PER 21.1倍、PBR 0.90倍、ミックス係数 18.99

広島ガス:PER 4.9倍、PBR 0.53倍、ミックス係数 2.597

北陸ガス:PER 11.9倍、PBR 0.33倍、ミックス係数 3.927

静岡ガス:PER 16.5倍、PBR 0.85倍、ミックス係数 14.025

 

その他:景気影響は大きいか、セクター的には積極的に購入すべきか。

景気影響は小さいインフラ銘柄。

業種:電気・ガス業

景気敏感株か:×

 

株価:含み損益はどうなるか?

電力事業の成長とともに右肩上がり。

<過去1年間のチャート>

<過去5年のチャート>(TradingViewより)

順調に売上が伸びているのと対応する形で右肩上がりのチャートになっています。

大幅に減益の予想が出た前回の決算発表は4月末で新型コロナウイルスによって市場全体が急落した直後なのもあってか株価に大きな影響は見られません。

当面はサプライズがなければ今の水準付近でとどまりそうな印象です。

ただ、Webサイトに掲載されている中期経営計画は2016年度のもので、本来なら昨年には新しい中期経営計画が出ていたのではと思います。

コロナ影響を踏まえて今年の5月に出てくるようならそこで変動があるかもしれません。

 

おわりに

電力会社と同じくインフラであるガス業界で利回りの高い北海道ガスを取り上げました。

財務に不安はあるので、気になる方は北陸ガスや東京ガス、大阪ガスといった会社を選ぶ方も多いかもしれません。

 

あまり売上の成長を期待できる業界ではないのですが、電力自由化の波をうまく利用できているなという印象です。

2016年の中期経営計画では電力も含めた総合エネルギーサービスの提供というのがテーマでしたが、今後の方針としてどういった方向を目指すのかは気になるところです。

事業計画では住宅賃貸事業なども触れられており意外とおもしろい内容ですので、「インフラだから」で終わるのではなくしっかりとIR資料を読んでみると発見があるかと思います。

 

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