銘柄選定の重要ポイント③今後その会社は成長するのか(成長性)

銘柄選定の重要ポイント第3弾です。

第1弾の配当についての解説、第2弾の財務についての解説はそれぞれ以下をご覧ください。

みのかぶ家計簿

先日KDDIの銘柄分析について投稿してみました。 今後も似たようなかたちでいろいろな銘柄について書いてみようと思っていま…

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第2弾です。 第1弾の配当についての解説は以下をご覧ください。 目次 1 財務のポイントとは?1.…

成長性のポイントとは?

せっかく投資するなら今後もっと成長する会社に投資したいですよね。

会社が成長すれば配当も増えますし株価も上がるので株式を売却した際の利益も狙えます。

今回は今会社が成長しているかどうかを見るための指標をご紹介します。

会社の経営・業績の見方がわからない方にも向けて、どんな指標があってどんな意味なのかから説明します。

成長とは? 売上高・利益とは?

そもそも会社が成長するってどういうことでしょうか?

従業員の数が多い会社、平均給与が高い会社、福利厚生が整っている会社、、、

一般的にはいろんな意味が含まれています。

ここでは株式投資する目線で捉えるため、「より多く稼ぐこと」とします。

たくさん稼いで次の事業に投資するもよし、配当として株主に還元するもよしで、とにかくまずはたくさん稼いでくれることが重要です。

じゃあ稼ぐってなんでしょうか?

企業の業績を見てみると、いくつかのデータがあります。

代表的なものを書いてみます。

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

税引前当期純利益

聞きなれない言葉がたくさん出てきたかもしれません。

1つずつ解説していきます。

売上高

売上高とは企業が商品やサービスを提供することによって得られたお金を指します。

たとえば100円のお菓子が100個売れた場合、売上高は100円×100個で10,000円となります。

ここでは材料費など100円のものを作るためにいくらかかったかは関係ありません

仮に5,000円の商品券を1,000円で売って、「これはお得だ!」と思われて1兆枚売れたとしても売上高は1,000兆円になります。

すごい売上高ですが、もちろん大赤字なので誰もこんな商売はしませんよね。

つまり、商品・サービスを提供するためにかかった費用を考える必要があります。

一方でどんなに効率よく商売をしても、売上高が増えないとそれ以上の利益を得ることは難しいです。

1億円の売上しかないのに2億円の利益にすることは普通できないからですね。

下に書くような各利益の入り口になる数字であり、会計書類(損益計算書)では一番上に書かれることから売上高は「トップライン」と呼ばれることもあります。

営業利益

商品・サービスを売って得た売上高から、材料としてかかった費用や広告費、人件費を差し引いたお金を営業利益と呼びます。正確には「材料としてかかった費用」を差し引いた金額の指標として「売上総利益(粗利益)」という指標が存在し、そこから広告費などの販売管理費と人件費を差し引いた金額として「営業利益」が計算されます。

この営業利益が大きければ大きいほど「本業で儲かっている」ことを示しています。

例えば出版業で本を売っている場合、本の売上が1億円で印刷費や紙代として6,000万円、人件費として3,000万円かかっていたとすると営業利益は

1億円 – 6,000万円 – 3,000万円 = 1,000万円

となります。

経常利益

企業の収入というものは本業による収入だけではありません。

たとえば企業の持つ現金を銀行に預けていると利息が付きます。

他社の株式を持っている場合には配当がもらえているかもしれません。

このように本業以外で得たお金を「営業外利益」と呼びます

逆に借金をしている場合には利息を支払っていることもあります。

こちらは逆に本業以外での支出(費用)になるので「営業外費用」と呼ばれます

そういった「本業以外の収支(営業外利益から営業外費用を差し引いた金額)」を営業利益と合算した指標を経常利益と呼びます。

上の出版会社の例で言うと、銀行からの利息で100万円得て借金の利息で50万円支払った場合には経常利益は、

1,000万円(営業利益) + 100万円(営業外利益) – 50万円(営業外費用) = 1,050万円

となります。

税引前当期純利益・当期純利益

ここまでで売上高から経常利益までの流れを見てきました。

もう少し計算の話が続きます。

ここまで出てきた収入や支出については、金額の増減はあるけども毎年かかるお金を指していました。

しかし、企業にはその年だけ特別に出た収入や支出が存在します。

例えば自社ビルを売却した場合や災害で被害を受けた場合などです。

毎年自社ビルの売却をしたり災害で大規模な被害を受けることはまずありません。

このような「今年だけ特別に出た収入」を「特別利益」「今年だけ特別に出た支出」を「特別損失」と呼びます。

この特別利益と特別損失を加味した利益が「税引前当期純利益」です。

「税引前」という言葉で引っかかった方は勘がいいですね。

さて、ここまで何度か出版会社の例を出してきましたが特別利益・特別損失がないとするとこの会社の税引き前当期純利益は経常利益と同じ金額で1,050万円となります。

黒字の会社は法人税を支払わないといけません。

法人税の計算については割愛しますが、ここではこの年にかかった税金を250万円とします。

当期純利益は税引前当期純利益から法人税などの税金を差し引いて計算しますので、

1,050万円(税引前当期純利益) – 250万円(税金) = 800万円

となります。

売上高をトップラインと呼ぶのに対して、同じ会計書類(損益計算書)で一番下に出てくることから当期純利益では「ボトムライン」と呼ばれることもあります。

配当金というのはこの当期純利益から支払われるものになり、配当性向が50%になるようにした場合株主に配当金として400万円が支払われることになります。

配当性向についての説明は財務の観点で記載していますのであわせてご覧ください。

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銘柄選定の重要ポイント第2弾です。 第1弾の配当についての解説は以下をご覧ください。 目次 1 財務のポイントとは?1.…

いろいろあるけど何を見ればいいの?

ここまでいろんな数字が出てきました。

じゃあ投資する上では何を見ればいいのでしょうか?

私の場合以下の3点を重視しています。

①売上高が増えているか

②当期純利益が増えているか

③営業利益率(営業利益 ÷ 売上高)が安定して高いか

この3つに絞っているのは以下の4つが理由です。

ⅰ.売上高が増えない限りは基本的に利益を増やすことが難しい(経費節減しか方法がなくなる)

ⅱ.配当に直結する指標として当期純利益が増えないと配当が増えない実際には「一株当たり当期純利益(EPS)」という指標があり、発行している株数で当期純利益を割って算出する指標があるのですが、株式が分割・併合されると前年との比較が難しくなってしまうので計算を簡単にするために採用していません。

ⅲ.営業利益率が高いということは、値下げできるのにしないで売れている=競争力のある商品・サービスを販売できているため、いい商品・サービスを持っていることを示している

ⅳ.業種によっては営業利益や経常利益が算出できないことがあり、全業種を並べて比較するのが難しい

 

さて、ここからやっと本題の「成長性のポイントとして見ている観点」に入ります。

①入るお金が増えているか…売上高

前述の通りで、結局のところ売上高が増えることは利益を増やすうえでまず大事なことです。

経費節減や財テクで収入を増やしたり支出を減らしたりすることには限界があります。

そのため、売上高が増えることは非常に重要です。

私の場合、過去3年間で平均10%ずつ増えていれば満足、平均5%ずつ増えていればまあよしとしています。

②配当の元手が増えているか…当期純利益

大企業になればなるほど子会社の事情であったり自然災害に影響を受けたりする可能性も増えていくので売上高よりは重視していないのですが、配当目当てで投資する上ではやはり配当の元手となる当期純利益の推移は重要です。

私の場合、売上高と同じく過去3年間で平均10%ずつ増えていれば満足、平均5%ずつ増えていればまあよしとしています。

③競争力のある商品・サービスを持っているのか…営業利益率

営業利益率が高くてまだ世の中で拡大できるチャンスがある場合、営業利益率が高ければ高いほど利益は増えやすくなります。

たとえば市場シェアが10%で1億円の売上があり、営業利益率が20%の会社Aと営業利益率が10%の会社Bがあったとします。

それぞれ1年後に市場シェアを2倍にした場合の営業利益は以下のようになります。

会社A…営業利益が2,000万円から4,000万円にアップ

会社B…営業利益が1,000万円から2,000万円にアップ

どちらも2倍増ですが、会社Bはやっと前年の会社Aの営業利益に追いついたに過ぎません。

会社Aは会社Bよりも儲けた2,000万円でさらにいい商品を開発できるかもしれません。

そうなった場合、長期的に会社Aと会社Bの差はどんどん広がっていくでしょう。

ほかにも、国の政策や他社との値下げ合戦で値下げせざるを得ない状況になることもあります。

そんな時にも営業利益率の高い会社のほうが値下げについていく体力があります

前述の会社AとBの場合、商品の価格を1割下げた場合(費用は減らずに売上高だけが1割減った場合)に会社Aはまだ営業利益率が10%残っており黒字ですが、会社Bは営業利益率が0%となってしまうからです。

私の場合、20%に近ければ近いほど良いと考えています。時々20%超の会社もあるのですが、20%以上はすべて同じ評価にしています。

おわりに

今回も長くなってしまいました。

今回ご説明した指標は決算資料でも必ず企業が公表しているため、実際に理解さえしてしまえば簡単に調べられるものです。

「この会社最近CMよく見るからイケイケなのかと思ってたけど意外と伸びてないんだな」とか知ることができると思います。

次回は配当・財務・成長性に加えて、実際に銘柄を購入する上でその他気にしている観点をご説明します。

銘柄選定の重要ポイントシリーズとしては次回が最終回になる予定です。

ぜひまたお付き合いください。

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