【銘柄分析】合同製鐵&共英製鋼(5410、5440):高利回りな電炉メーカー

本記事は銘柄に対する記載も含みますが、投資を推奨するものではありません。
また、本記事の内容は投稿時のものとなるため企業データの最新情報と異なる可能性があります。
あくまで自己判断での投資をしていきましょう!

今回は合同製鐵共英製鋼です。

同じ電炉メーカーということで2社同時に紹介していきます。

ちなみに合同製鐵が4/28に決算発表、共英製鋼が4/30に決算発表予定となっており、株式の持ち合いをしているなど仲の良い2社でもあります。

 

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2020年度決算発表の分析を以下の記事で行いました。

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合同製鐵の事業概要

会社名合同製鐵
業種鉄鋼
特徴大手電炉メーカーで日本製鉄が大株主の会社です。時価総額では電炉メーカー中5位です。
棒鋼、線材など建設用鋼材に強みがあります。
2019年に同じく電炉メーカーの朝日工業を子会社化しました。
株価(投稿日時点)2032円
配当月3,9月

 

共英製鋼の事業概要

会社名共英製鋼
業種鉄鋼
特徴大手電炉メーカーで日本製鉄が大株主の会社です。時価総額では電炉メーカー中3位です。
海外M&Aにも積極的で2016年以降で4件M&Aを行っています。
株価(投稿日時点)1532円
配当月3,9月

 

どちらも同じ日本製鉄が大株主ではありますが、合同製鉄は2007年に新日本製鐵の持ち分法適用会社となっています。

一方で共英製鋼はもともと1982年に住友金属工業と資本提携を行っています。

新日本製鐵と住友金属工業が2012年に合併して結果的にどちらの会社も日本製鉄が大株主の会社となりました。

 

製鉄というと、高炉のイメージが強いと思います。

山崎豊子さんの「華麗なる一族」でも長男の万俵鉄平が建設を推し進めていたのが高炉です。

非常に大規模な設備が必要で、鉄鉱石と石炭(コークス)を原料として鉄を作るものです。

 

それに対して電炉(電気炉)では鉄スクラップを原料としています。

すでに鉄製品として世に出たものを回収して原料とします。

高炉では石炭を利用するため二酸化炭素が大量に排出されますが、電炉では電気で加熱するだけなのでSDGsの観点でも注目されています。

また、高炉が一度稼働すると10年以上止められないのに対して電炉は比較的止めやすく規模も電炉のほうが小さく済む特徴があります。

高炉でトップの日本製鉄も今後電炉をつくる計画を発表しています。

日本経済新聞

日本製鉄は30日、2030年までに鉄スクラップを原料とする大型の電炉を国内につくる方針を明らかにした。鉄鉱石と石炭由来の…

 

合同製鐵の総合評価:86.77ポイント(94位/2717社中)

利回りが高い点が魅力。自己資本比率が40%台と、財務面ではやや劣る。

利回り3.94%ということでなかなかの高水準です。

しかし、業績に連動して配当が出されるため、減配も多く安定性はありません。

共英製鋼の総合評価:80.37ポイント(180位/2717社中)

自己資本比率は50%超。やや財務面で安心感あるかも。

こちらは利回り3.26%と合同製鐵と比較すると見劣りしますが自己資本比率が55.2%となっています。

自己資本比率は50%以上ほしい、といった場合には大きく評価が分かれてくる部分ですね。

 

 

配当のポイント:今の利回りはどうか、今後増配しそうか?

両社ともここ数年は業績好調。ただし安定感はなく倍増することもあれば半減もあり。

配当指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

先日KDDIの銘柄分析について投稿してみました。 今後も似たようなかたちでいろいろな銘柄について書いてみようと思っていま…

項目合同製鐵共英製鋼
利回り(投稿日時点)3.94%3.26%
配当推移(2016年~)85円(2016)→40円(2017)→85円(2018)→70円(2019)→145円(2020)→80円(2021予想)45円(2016)→30円(2017)→40円(2018)→40円(2019)→75円(2020)→50円(2021予想)
2016年からの増配率+71%+67%
2018年からの増配率+71%+88%
配当姿勢業績連動(配当性向30%程度を目安)

<合同製鐵の配当姿勢>

また、当社は株主の皆様への利益還元を重要な経営課題の一つと位置付けており、業績に応じた利益配分を基本として、中間および期末の剰余金の配当を実施する方針といたしております。
当面の間は、財務体質の改善、必要な再投資資金の確保などを勘案しつつ、業績連動利益配分の指標として、連結配当性向「年間30%程度を目安」としております。
(2020/12/01 第115期中間報告書より)

<共英製鋼の配当姿勢>

当社は、事業活動を通じて当社の企業価値を高めることが株主への最大の利益還元になると考えております。利益配当金については、長期的観点から事業成長と企業体質の強化に必要な内部留保を確保しつつ適切な利益配分を実施する所存です。具体的には、「連結配当性向年間25~30%、ただし1株当たり年間配当の下限は30円」を目処として配当することを基本方針としております。
(2020/10/30 業績予想の上方修正並びに配当予想の修正(増配)に関するお知らせより)

 

合同製鐵のほうがやや配当性向が高いといった程度ですが、大きくは変わりません。

 

財務のポイント:業績が悪化しても事業を継続できるか、配当を維持できるか?

共英製鋼は自己資本比率も50%を超えており、営業キャッシュフローよりも現金・現金等価物のほうが常に多い。
財務面では安心材料。

財務指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第2弾です。 第1弾の配当についての解説は以下をご覧ください。 目次 1 財務のポイントとは?1.…

項目合同製鐵共英製鋼
営業CFここ10年で2回赤字あり(2014,2018)。ここ10年で2回赤字あり(2014,2018)。
フリーCFここ10年で4回赤字あり(2014,2017-2019)。ここ10年で5回赤字あり(2014-2015,2017-2019)。
自己資本比率46.9%55.2%
配当性向28.5%28.4%

 

仕入れる鉄スクラップ、販売する鉄の両方で価格変動が大きいため、業績面ではなかなか安定感がなくキャッシュフローもしばしば赤字が見られます。

しかし財務に着目すると自己資本比率は共英製鋼のほうが高く、また現金も常に潤沢です。

2009年以降営業キャッシュフロー(青)よりも現金等(オレンジ)が多い状態が続いています。

(IR BANKより)

 

主な競合他社の自己資本比率は以下のとおりです。

東京製鐵:72.8%

大和工業:83.0%

どこまで利回りを妥協するかにもよりますが、規模が大きく財務がより安定した大和工業やROEが10%を超えている東京製鐵も選択肢ですね。

 

成長性のポイント:今後事業が成長しそうか?

鉄鋼業界の中では電炉は注目されており追い風。

成長性指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第3弾です。 第1弾の配当についての解説、第2弾の財務についての解説はそれぞれ以下をご覧ください。…

項目合同製鐵共英製鋼
過去3年間の売上成長(1年あたり平均)23.0%21.3%
過去3年間の純利益成長(1年あたり平均)92.0%46.7%
過去3年間の営業利益率3.2%4.7%

 

少なくともここ数年は好調で、ともに業績を伸ばしています。

 

割安度合い:今の株価は割安か?

電炉業界大手と比較するとかなり割安。

ポートフォリオ運用する上での補正の考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント最終回、ポートフォリオ構築のための微調整編です。 第1弾の配当について、第2弾の財務について、第3…

項目合同製鐵共英製鋼
PER(時価総額÷当期純利益)7.3倍8.8倍
PBR(時価総額÷純資産)0.3倍0.42倍
ミックス係数(PBR×PER)(※)2.193.696

※ベンジャミン・グレアム氏が提唱した指標で、企業のBS・PL両方の観点から企業の株価の割安性を見極める指標で低いほど割安となります。
グレアム氏が割安としていた目安は22.5です。

競合となる会社で言うと以下のような数値です。

東京製鐵:PER 37.1倍、PBR 0.84倍、ミックス係数 31.164

大和工業:PER 52.5倍、PBR 0.69倍、ミックス係数 36.225

 

その他:景気影響は大きいか、セクター的には積極的に購入すべきか。

製造の中心であり景気敏感株。

業種:鉄鋼

景気敏感株か:〇

 

株価:含み損益はどうなるか?

大きな値動きはなし。

<合同製鐵の過去1年間のチャート>(TradingViewより)

<合同製鐵の2002年以降のチャート>(TradingViewより)

<共英製鋼の過去1年間のチャート>(TradingViewより)

<共英製鋼の上場(2006年12月)以来のチャート>(TradingViewより)

どちらも似たような値動きです。

長期のトレンドとして上昇とも下降とも呼べないかなといった印象ですね。

どちらもまだコロナ前の水準より2割程度低いくらいです。

 

おわりに

今回は電炉メーカー2社を分析してみました。

業界大手というわけでもないのですが、非常に割安な2銘柄です。

M&Aの動きもあるものの株価的にはあまり大きな動きになることはなく、これもポートフォリオの隅っこでじわじわ配当をもらいながらいつか株価が上がるといいなと思いながら保有します。

割安な分少々のことでは株価も下落しづらいので、その点は安心しています。

 

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