銘柄選定の重要ポイント②問題が起きてもびくともしない会社に投資しよう(財務)

銘柄選定の重要ポイント第2弾です。

第1弾の配当についての解説は以下をご覧ください。

みのかぶ家計簿

先日KDDIの銘柄分析について投稿してみました。 今後も似たようなかたちでいろいろな銘柄について書いてみようと思っていま…

財務のポイントとは?

財務とは?

企業のお財布事情を財務と呼びます。

たとえば今年1兆円の利益が出た会社と聞くとすごい会社だなだと思うかと思います。

ただ、その会社には10兆円の借金があり、来年は実は2兆円返済しないといけない状況だったとするとどうでしょうか。

今年調子が良かったけど利益は1兆円、来年その2倍稼げないと倒産してしまうわけです。

この会社に投資すべきかとなるとおそらく投資したいと思える人はかなり少ないと思います。

そのため、売上や利益のような稼ぐ指標だけを見るのではなく、投資する上では財務もきちんと理解しておく必要があります。

高配当投資における財務の重要ポイントとは?

私の場合、財務を見るために使っている指標は以下の3点です。

①自己資本比率

②配当性向

③営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフローが過去10年間で赤字になっていないか

②については厳密には財務の指標ではないかとは思っていますが、「今の高配当を今後も維持できるのか」を見るために私の場合は財務の観点で見ています。

すこし聞きなれない言葉もあるかと思いますので、以下で説明していきます。

①会社が持っているもの(資産)のうち、借金じゃないものはどれだけあるのか…自己資本比率

会社の持っているものを「資産」と呼びます。

例えば自社ビルや工場、パソコンのような目に見えるモノや特許、子会社などその会社が株式を保有している別の会社などすべて含まれます。

個人でいうと預貯金だけでなく家や食器、家電など全部お金に換算したときにいくらになるかです。

似たような言葉で「純資産」という用語があります。

純粋に自分の資産という意味で、誰かに返済する必要のない資産です。

家がわかりやすいのですが、住宅ローンで借りたお金で購入した場合最初の時点では100%純資産ではありません。

あくまで「銀行から借りたお金で自分の名義になっているだけ」の状態です。

ここからローンを50%返すと50%分がやっと自分のものになり、「ローンを完済した」というのは「完全に自分のものになった(=純資産になった)」ことになります。

会社の資産のうち、純資産に占める割合を「自己資本比率」と呼びます。

自分の資産のうち借金じゃない割合がどれだけかということになるので、高ければ高いほど仮に今全部借金を返済しても残る資産が多くなります。

逆に低いと、何か問題があってすぐに借金を返さないといけない状況になると手元になにも残らなくなってしまいます。経営的に借金がまったくなければいいかと言うとそういうわけでもありません。
借金も含めた資産が大きければ稼ぐ力をその分多くできると考えた場合、借金をしないというのは「借金すれば稼げたはずの利益を失っている」ことになります。
何事も適度にする、というのが大事ですね。

具体的な値ですが、60%あれば満点、50%あればまあよしと見ています。

とは言っても、銀行が預かっている預貯金は資産に含まれるものの純資産ではない扱いとなっているため業種によってはかなり低い値が当たり前という業種もあります。銀行の場合基準としては国際ルールでは8%、国内ルールでは4%が基準となっており、これを下回ると金融当局から怒られるラインとなります。

業態ごとにラインを設けて健全かどうか見ていくのがベストではあるのですが、様々な業態を比較して投資しているため一律で上記の基準を設けたうえで「必ずしも自己資本比率が50%以下の会社には投資しない」と決めることはしないというのが私のスタンスです。

②純利益のうちどれだけを配当にまわしているのか…配当性向

配当というのは会社が儲けたお金(利益)からその一部として支払われるものです。

これが多すぎて100%を超える場合というのは儲けたお金以上に配当を支払っていることになります。

配当を支払うために会社が借金したり貯金を切り崩したりしているわけで、こんな状況は長くは続けられません。

いずれ減配することになります。

90%など100%に近い場合も同様です。

設備投資など次に儲けるためにお金を使えないため、時間が経つとどんどん稼ぐのが難しくなってきます。

逆に少なすぎるのも問題で、会社は株式を買ってもらってその対価として得たお金で商売をしているのに株主に対してリターンしていないことになります。

もっとも「その分設備投資して業績良くしているから株価も上がる」という場合は別で、株価の上昇自体が株主に対する利益となっています。

要は「配当も出さない、株価も上がらない会社に投資しててもしょうがない」ということです。冒頭で「厳密には財務の指標ではない」と書いたのはこういう理由で、配当性向が少ないことは財務健全とは別の理由で投資しない理由になるということです。

私の場合、配当性向としては20~60%なら満足、0~20または60~75%ならまあよしと見ています。

(0%ということは配当が出ていないことを指すので前回記事の配当としては0点になります。)

ちなみに純利益が赤字の場合は計算ができないので0点で計算します。

③現金の入りに対して出が多すぎるタイミングはないか…営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー

よく言われる利益というのはあくまで会計簿上の収支を指し、実際のお金の流れとは一致しません。

実際には売上として計上されているけれどまだお金が入ってきていないケースというのがあります。

クレジットカードで支払った場合にその時点では自分のお金は減っていないけど翌月に支払うというケースを想像するとわかりやすいかもしれません。

1月に200万円の受注販売の商品が売れて、4月に入金することになったケースを考えてみます。

商品の材料を2月に100万円で仕入れるとしましょう。

もし現金を持っていない会社だったら、2月の材料費を2月に支払わないといけない場合そのお金はどこから出るのでしょうか。

銀行からお金を借りられればいいのですが、もし借りられない場合材料は購入できず結果商品はつくれないので4月の入金もなくなってしまいます。

このように1年間の中で企業本来の営業活動により獲得したお金とその費用として支払ったお金の収支がどうなっているかを指すのが「営業キャッシュフロー」です。

またずっと同じ設備で商品を作っていても競業他社との競争に負けてしまったり、設備が壊れて商品を作れなくなってしまうので定期的に設備投資は必要です。

この設備投資にかかるお金も必ずかかってくるもので、「投資キャッシュフロー」と言います。

投資キャッシュフローも必要な出費なので、営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いた金額が黒字にならないとやはり蓄えたお金が減ってしまうことになります。

この「営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いた金額」のことを「フリーキャッシュフロー」と言います。

ちなみに関連用語として「財務キャッシュフロー」というものもあり、こちらは借金や新しい株式の発行による資金調達を行うと増えて、借金返済を行った場合には減ります。

フリーキャッシュフローがプラスということは手元で自由に使えるお金が増えていることを指すため、その分「財務状況が良くなった」と言うことができます。

私の場合は過去10年の営業キャッシュフローを見て、1度も赤字がなければ満足、赤字がある場合はその分評価を低くするようにしています。「評価を低く」と言っても「1回でも赤字がある」時点でかなり厳しく見ています。

不動産会社などどんどんお金を借りて土地を買って建物を建てるような業種やリース業界のようにものを買ってそれをレンタルして収益を得ているような企業では営業キャッシュフローが赤字になることも多いのですが、さすがに10年で4回以上営業キャッシュフローが赤字になるような場合はちょっと避けたいなと思っています。

おわりに

今回は財務について書いてみましたが、かなり難しい内容になってしまいました。

どうしても専門用語も多くなってしまうのですが、できるだけ簡単にしてみようと思いましたがいかがだったでしょうか。

もちろん人によっては、純資産だけでなく持っている現金がどれだけあるかなどもっといろんな項目を見て財務状況を判断する方も多くいます。

投資初心者の場合はまずはたくさんの項目を見すぎても分からなくなってしまうので、自己資本比率だけを見てみるといったかたちで見てみて、そこから少しずつ勉強してみるのがいいのではと思います。

次回の成長性・その他に関する記事は以下となります。

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