米国高配当ETFは何を選ぶ?(SPYD、HDV、VYM)

今回は米国高配当ETFの話です。

日本株については会社ごと個別で分析記事をアップしていますが、米国株についてはETFで購入しています。

ETFとは何かから説明しますので、投資初心者の方でも読んでいただけるようにしますね。

ある程度はもうわかっているという方は「3大高配当ETF比較」のパートから読んでいただければと思います。

 

ETFとは?

ETFについては以前インデックス投資について書いた際にもチラッと触れています。

みのかぶ家計簿

私はインデックス投資と高配当投資を両方行っています。 両方行っている理由は以下の記事で記載しています。   インデックス…

ETFとはExchange Traded Fund の略で、投資信託同様に指数に連動するものがありますが、株式市場で取引ができます。

投資信託と指数連動型のETFを比較してみると以下となります。

投資信託ETF
すぐ売買できるか×
価格は1日に1回決まり、注文してから実際に購入するまで数日かかる

上場株式同様に価格がリアルタイムで変動し、売買もリアルタイムで行われる
手数料が安いか×
ETFよりは高い(指数によっては同じくらい)

安い
購入単位が柔軟か
100円以上1円単位
×
1株単位

 

 

改めて説明すると、ETFとは投資信託と同様にたくさんの金融商品をひとまとめにしたうえで、証券市場でいつでも売買ができるものです。

今回の記事は「米国高配当ETF」ですが、もちろん日本株のETFであったり、株式ではない債券や金のETFもあります。

最近では仮想通貨(暗号資産)のETFも登場しつつありますね。

「証券会社がいい感じにひとまとめにしている金融商品」と考えていただければOKです。

なお、「いい感じ」にするための費用として、証券会社の取り分となる「経費率」がETFごとに設定されているため、同じ元手でETFとまったく同じように株を購入した場合はETFを購入する方が損となります。

 

なぜ米国株はETFを選ぶか

私はインデックス投資については投資信託、日本株については個別株を基本にしていますが、米国株はETFが中心です。

理由は3つあります。

 

1.配当金目的の投資である

以前の記事でも書いているのですが、老後資金として資産運用をする中で2段階に分けた資産運用の考え方をしています。

1段目は積立NISAなどの税優遇策を利用したインデックス投資で、2段目が高配当投資です。

くわしくは以下の記事をご覧ください。

みのかぶ家計簿

老後の資金として社会保障だけでは足りず2,000万円が必要というニュースが話題になったのは2019年のことでした。 「人…

 

 

米国株ETFを購入する意図としては2段目の高配当投資に該当します。

投資信託でも分配金という形で売却せずにお金を受け取る方法はあるのですが、儲けた分以上の分配金が出るケースもあるなど投資としてはもったいないケースがあります。

 

また、ETFでは投資信託よりも高配当投資の目的に応じたものがいくつか存在します。

「高配当投資したいならうちがいいETF発売してますよ」と証券会社が売っているものがあります。

 

「高配当投資」をしたいのであれば投資信託よりもETFのほうが適している。

証券会社としても高配当投資を意図した商品も発売されている。

 

2.経費率が低い

2~4点目は、日本株では個別株なのに米国株ではETFを選んでいる理由です。

 

まず前提として先に書いたとおりETFを保有すると経費率の分だけ損をします。

たとえば日本の高配当株を集めたETFである日経高配当株50ETFの経費率(信託報酬率)は税抜0.28%です。

たかが0.28%、されど0.28%です。

4%の利回りを求めようとすると、経費率を考慮すると4.28%の利回りが必要となります。

高配当投資をしている方ならわかると思いますが、利回りを0.28%上げるのってすごく大変です。

資産に対して0.28%というと少なく感じますが、目標リターンに対して7%さらに増やそうとすることになるため、ちょっとひるんでしまいます。

 

米国高配当株は後程代表的なものを紹介しますが、経費率は0.06~0.08%です。

日本株と比較して、経費のハードルが低くなることが分かりますね。

 

米国高配当ETFの経費率は日本高配当ETFの1/3以下!

その分経費がリターンに与える影響も小さい。

 

3.組み入れ銘柄の選定が微妙

日本の高配当株、さらに日経平均にも採用されているなど主要な銘柄となると数はかなり限られます。

このブログで紹介している銘柄も東証一部の銘柄は多いですが、日経平均採用銘柄はごく一部しかありません。

それでもETFを販売しようとするとやはり知名度の高い銘柄をどうしても多くしようとしてしまうのか、「その株は買いたくないな」と思う銘柄も含まれてしまっています

買いたくない株というのは、主に過去会社ぐるみの不祥事を起こしたような会社ですね。

 

それに対して、株主還元が伝統的に行われてきた米国株では主要指数であるS&P500採用銘柄でも高配当なだけの株は数多く存在します。

S&P500に採用されていない銘柄も含めるととんでもない量の会社があります。

そんな中からETFを構成するので、必然的にいい銘柄がそろっていることが多いです。

 

そもそも株主還元が染みついている米国株は優秀な高配当株が多く、ETFも優秀なものが多い。

 

4.個々の会社の情報を詳しく確認していられない

3.でも書いたとおり、アメリカには優秀な高配当株が多いです。

しかし、日本で暮らす私にとっては馴染みのない会社も多く存在します。

また、当然ですが会社が公開している事業計画などはすべて英語です。

 

これではいい会社かどうかの見極めが非常に難しいです。

日本株であれば実際にお店に行ったり、決算資料や中期経営計画をしっかりと読んで判断できるのですがこれがやりづらいというのは投資するには情報が足りなくなりがちです。

 

そのかわりに、(一定の費用を支払ったうえで)ETFとしてプロの眼を通せるようにETFを購入しています。

 

会社の情報を詳しく知れない分、いい銘柄が構成されたETFを買うことで対応できる。

 

どこで買えるの?

すこし余談にはなりますが、初心者さん向けということもあって米国高配当株はどこで買えるのかという話です。

 

結論としては外国株を購入する手続きさえしていれば主要なネット証券であればたいてい購入可能です。

有名どころだとSBI証券、楽天証券、マネックス証券などですね。

スマホ証券では一部ではあるもののPayPay証券なども一部米国高配当ETFを取り扱っています。

高配当ETFは人気なので、「米国株を購入できます」と言っていれば基本的に大丈夫と思っていただいてOKです。

 

3大高配当ETF比較

今回は有名な米国高配当ETFである、SPYD・HDV・VYMを比較します。

それぞれ発売元の会社が異なる米国高配当ETFなのですが、特色がそれぞれ違うため単純に良し悪しは決められません。

それぞれ確認していきましょう。

 

基本情報

銘柄SPYDHDVVYM
運用会社State StreetBlackRockVanguard
設定年2015年2011年2006年
対象銘柄の特徴S&P500配当上位80銘柄。REITあり。財務優良高配当な75銘柄。米国株全体から高配当な400銘柄。
購入比率の決め方均等加重平均配当総額加重平均時価総額加重平均
銘柄数8075400
利回り5.92%3.76%3.01%
5年トータルリターン9.53%8.23%11.77%
6年平均増配率(SPYDは4年平均)2.28%6.72%7.33%
経費率0.07%0.08%0.06%

 

大きな違いとしては購入比率の決め方ですね。

SPYDは均等加重平均といって、基本的には各購入銘柄に対して同じ金額を投資します。

投資した後で価格が変動するため結果的に上位の銘柄というのはありますが、定期的に行われる調整(リバランス)でまた同じ金額になるようになっています。

調子が良くて株価が上昇する銘柄は売却して少なく保有するようになり、逆に株価が下がった銘柄は買い足されるので、「逆張り」の買い方と呼ばれることもあります。

 

HDVは配当総額加重平均といって、簡単に言うと配当が多い株はその分多く買うというやりかたです。

リスクを下げるために分散投資は行いつつも、配当が多い会社はできるだけ多めに買いたいといった買い方ですね。

 

VYMは時価総額加重平均と言って、時価総額の高い会社をその分多く買う買い方です。SPYDの「均等加重平均」の逆で株価上昇=時価総額上昇した株を多く買うため「順張り」の買い方となります。

 

順張りと逆張り、どちらが儲かるのかについては年によります。

順張りのほうが儲かる年もあれば逆張りのほうが儲かる年もあるので、一概には言えないところですね。

 

組み入れ銘柄(ETFに含まれる銘柄)の上位10銘柄

あくまで2021/3月時点での情報となるのですが各ETFの中で特に多い10銘柄を挙げていきます。

 

SPYD

上に書いた通り均等加重平均のため、意図して上位になった銘柄ではないのですが一応まとめておきます。

銘柄セクター割合
Hanesbrands Inc.一般消費財・サービス1.49%
Hewlett Packard Enterprise Co.情報技術1.48%
ConocoPhillipsエネルギー1.45%
People’s United Financial Inc.金融1.45%
HollyFrontier Corporationエネルギー1.43%
Seagate Technology PLC情報技術1.43%
Altria Group Inc生活必需品1.41%
Vornado Realty Trust不動産1.41%
Fifth Third Bancorp金融1.40%
Iron Mountain Inc.不動産1.39%

 

HDV

最も比率の多いエクソンモービルは8.38%となっています。

銘柄数が75と絞られていることを考慮しても偏りは大きいです。

 

銘柄セクター割合
EXXON MOBIL CORPエネルギー8.38%
JOHNSON & JOHNSONヘルスケア6.72%
JPMORGAN CHASE & CO金融6.69%
VERIZON COMMUNICATIONS INC通信6.45%
CHEVRON CORPエネルギー5.84%
PROCTER & GAMBLE生活必需品5.08%
ALTRIA GROUP INC生活必需品4.24%
MERCK & CO INCヘルスケア4.15%
CISCO SYSTEMS INC情報技術4.04%
COCA-COLA生活必需品3.99%

 

VYM

こちらは最も大きいジョンソンエンドジョンソンでも3.7%と、400銘柄含んでいることもあって銘柄レベルでの偏りは小さいです。

銘柄セクター割合
Johnson & Johnsonヘルスケア3.70%
JPMorgan Chase & Co.金融3.50%
Procter & Gamble Co.生活必需品3.00%
Verizon Communications Inc.通信2.20%
Comcast Corp.通信2.10%
Bank of America Corp.金融2.10%
Coca-Cola Co.生活必需品1.90%
Merck & Co. Inc.ヘルスケア1.90%
PepsiCo Inc.生活必需品1.90%
AT&T Inc.通信1.80%

 

組み入れ銘柄のセクター比率

セクターとは日本でいうところの業種と同じ意味と思ってOKです。

業種に偏りがあると1つの理由で同じセクターのすべての会社にとってマイナスが起きた際のダメージが大きくなります。

これもあくまで2021年3月の情報ではありますが、それぞれまとめてみます。

SPYD

業種組入比率
金融23.63%
不動産18.32%
エネルギー14.61%
公益事業13.06%
情報技術6.67%
コミュニケーション・サービス6.31%
生活必需品5.28%
素材4.95%
一般消費財・サービス3.88%
ヘルスケア3.29%

均等加重平均なので個々の銘柄は1.5%以下でしたが、セクターでまとめると高配当株の多いセクターである金融などに偏ることが分かります。

また、SPYDはREIT(不動産)も含んでいるため不動産セクターが一定の割合を占めます。

 

HDV

業種組入比率
エネルギー18.27%
ヘルスケア16.45%
生活必需品15.39%
金融13.76%
情報技術11.23%
公益事業7.96%
通信6.49%
資本財・サービス5.44%
一般消費財・サービス3.36%
素材1.26%
キャッシュ、デリバティブ等0.33%
不動産0.07%

個別の銘柄では最大8%を超えたものもありましたが、セクターでまとめると20%を超えるセクターはなく、バランスよく選ぼうとしていることが分かりますね。

 

VYM

業種組入比率
金融20.80%
ヘルスケア13.70%
生活必需品13.60%
資本財・サービス10.10%
情報技術9.00%
公益事業8.90%
通信8.10%
一般消費財・サービス6.00%
エネルギー5.90%
素材3.90%

最も多い金融セクターが20%を超えていますが、それ以外は15%以下。

HDVと同じくバランスよく構成されています。

 

私の購入方針

結論としては私は主にVYMを保有しており、サブ的にSPYDを保有しています。

理由としては以下の4点です。

 

1. 減配が少ないVYM。リーマンショックも3年で回復した実績あり。

今回紹介した3つのETFの中で歴史が最も長いのがVYMで、設定年(はじめて発売された年)は2006年です。

HDVが2011年、SPYDが2015年に設定されています。

 

ここで大きいのがVYMは3つの米国高配当ETFの中で唯一2008年のリーマンショックを経験している点(結果リーマンショックの3年後には元以上の水準に回復できた実績がある)です。

コロナショックも大きな暴落でしたが世界的な金融緩和もあり、業績へのダメージは業種によってはそこまで大きくならなそうです。

しかし、リーマンショックは幅広い業種で大ダメージになりました

実際VYMも2008年には1株あたり1.443ドルだった配当が翌2009年には0.888ドルと大減配になりました。

しかし、翌2010年は1.091ドルと増配し、2012年には1.593ドルとリーマンショック前の配当よりも多くなっています。

 

また、リーマンショック直後の2009年を除いて減配されていません。

 

安定的に配当が欲しい身としてはこの安定性が強いです。

 

REITは価格変動が株式とは別なので別で持ちたい。

一方でVYMは利回りとしては3つの米国高配当ETFでは最下位です。

もっとも高い利回りはSPYDになります。

ただ、SPYDはREITを含んでいます。

REITは株式とは別の値動きをすると言われており、株式よりも遅れて価格が上下する傾向があります。

将来的に持ち株を売却する際には、調子のいい銘柄を売って調子の悪い銘柄は良くなるまで売らずに持っておきたい(売り時を分けたい)ので、値動きの異なる2種類の商品が含まれている点でSPYDはメインにしていません。

(それでもサブとして保有する理由は4つ目に書きます。)

 

特定銘柄への偏りが少ない(均等加重平均まではいかなくていい)

3つ目の理由は特定銘柄への偏りです。

「組み入れ銘柄(ETFに含まれる銘柄)の上位10銘柄」でもあったように、HDVは最大で8%を超える保有割合の銘柄が存在します。

財務健全であり安心できるということで組み入れられてはいるのですが、特定の銘柄が8%というのはやはり多い印象があります。

1社の占める割合が大きいということはリスクも大きくなります。

VYM・SPYDであれば最大でも3.7%なので、リスクを抑えるためにHDVよりもVYMを優先しています。

セクター比率としてもVYMはHDVより偏ってはいますが、偏りはそこまで大きくはないので許容範囲と考えています。

 

価格調整はSPYDで

最後の理由はSPYDを保有している理由となります。

何かというと1株の価格がSPYDは安いです。

VYMが101ドル台、HDVが95ドル台の中で、SPYDは38ドル台です。

毎月小額を投資する身にとっては、たとえば「今月は3万円投資しよう」と思った際にVYMやHDVだけでは中途半端になりがちです。

そのため、予算の中でVYMを買えるだけ買って余ったお金でSPYDを買うといった買い方をしています。

 

おわりに

なかなか情報が多い記事になってしまいました。

それぞれ特色があり、一概にどれが一番とは言いづらいのがこの3種類の米国高配当ETFです。

できるだけ直近の情報だけでなく長い目で見たときの評価を書いてみたつもりですので、長期で高配当投資をする方の参考に慣れればうれしいです。

 

今後米国株の購入報告や配当金の入金報告も書こうと思っています。

その際はまたこの記事をもとにして読みやすくしていきたいです。

 

その他の銘柄分析記事は以下にまとめています。

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