分散投資は必要か~リスクとリターン~

今回は分散投資について。

株式投資初心者の方やどの程度分散すればいいか分からない方向けの記事となります。

株式で”単推し”が危険な理由

以前の記事で安定してリターンを得るには長期・分散・積立がいいと書きました。

みのかぶ家計簿

老後の資金として社会保障だけでは足りず2,000万円が必要というニュースが話題になったのは2019年のことでした。 「人…

 

この前提として、私の場合老後資金を念頭に置いているので以下の条件があります。

30年後に増えていればよく、それまでは切り崩さずに生活できるため短期的にマイナスになっても構わない

②とはいえ、長期的にはプラスにしておかないといけない

 

昔ジェレミー・シーゲルという方が出した「実質トータルリターン指数」では、1800年にいろいろな種類で持っていた1ドル分の資産が配当も含めて200年後にどれだけの価値になったかが出されており、そこでは以下のようになっています。

現金:0.07ドル

金:1.39ドル

短期国債:300ドル

長期国債:1000ドル

株式:60万ドル

 

現金もインフレによって価値は大きく減っていくことになり、一方で株式は経済成長とともに大きく成長しています。

この例は200年という人間の寿命以上の長期間ではあるのですが、長期で持っていた場合に株式は儲かるはずであるというのは前提にしてよと思っています。

 

 

しかし、どんな株式であっても長期的に持っていればプラスになるわけではありません。

上の例もあくまで平均値の話です。

 

帝国データバンクの調べによると、創立後10年で撤退(廃業)する会社は3割で、20年生き残る企業は半分しかありません。

業種にもよるとはいえ、例えば非常に安定している株として知られていた東京電力も昔は株価が2000円を切ることなどありませんでしたが、東日本大震災後は低迷し直近1年では最も高かった株価でも444円です。

 

このように、1つの会社だけを見ると長期間生き残るだけでも難しく、生き残ったとしてもリターンを得られるとは限りません。

株式で100%に近い確率で儲けるためには少数の銘柄だけでなく、いろんな業種・いろんな会社に投資することでリスク分散を行う必要があります。

とことんまでリスクを分散するために、その国すべての株に連動、あるいは全世界すべての株に連動する値動きをするものに投資するのがインデックス投資です。

 

分散投資すると儲からなくなる

一方で、市場には他の企業とは比較にならないスピードで株価が上がる会社が存在します。

こちらはアメリカのテスラというEV(電気自動車)の会社のここ1年の株価です。(TradingViewより)

 

昨年の3/18には最安値で70.102ドルをつけたものの、その後今年の1/25には一時900ドルを超えました

1年で13倍近くの株価になったわけです。

 

このような株ばかりたくさん持つことができればいいのですが、残念ながら未来を見通すことはできません。

「1社だけ株を買う」と決めてテスラを選ぶことはかなり至難の業です。

 

次にほんの少し分散を取り入れて、10社の株を同じ金額分だけ買ってその中にテスラが入っていたケースを考えます。

テスラ以外の株はプラスマイナスが0だったとすると、テスラが13倍になっても資産全体では2.2倍にしかなりません(これでも十分すごい成績ですが…)。

しかし10社の中にテスラが入っていなかったらリターンは得られていませんでした。

テスラを保有できていた確率は10倍になりますが、会社の数はもっと多いため保有できていなかった確率の方が高いです。

 

さらに分散させていて100社だったら。今度は1.12倍となります。

どんどん減っていますね。一方で100社も持っていれば保有できていた確率はその分上がっています。

 

 

このように、リスクを下げるための分散投資はリターンを下げることにもつながることは理解しておく必要があります。

分散投資は株式投資のリスクを下げるが、その分リターンも下がってしまう

・分散投資することで「絶好調な会社」を拾える可能性は上がる

 

どれだけ分散すればいいのか

それでは何社持てばいいのでしょうか

 

ここ10年、アメリカの株価は絶好調でした。

アメリカの代表的な会社500社で構成されるS&P500は3倍以上まで増えました

 

しかし、実際にはGAFAMと呼ばれる5社(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)がここまで引き上げており、それ以外の495社では1.7倍程度でした。

S&P495で分かる ブーム化する「米国株投資」に隠れた”歪み”:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/2 ページ) – ITmedia ビジネスオンライン

500社に分散して「絶好調な会社」は5社だったわけです。

 

個別の会社を選んで買う以上はどうしても確率論になるのですが、このことから1つの目安としては100社持っておけば1社くらいは絶好調な会社を拾えるかなと思っています。

ただし確実に絶好調な会社を拾おうとすると、可能な限りすべての株を保有せざるを得ません。

500本中5本あたりがあるくじでも、最後の5回にあたりが固まってしまう可能性もあるからです。

このような場合は投資信託やETFで全世界または国まるごとに連動するものを購入するようにしましょう。

 

 

もちろん業種が同じ100社を持っていても1つの事件で全部沈んでしまうため分散の意味がありません。

飲食店や観光業の会社だけ選んでいてコロナショックが起きたら、どの会社も大打撃を受けます。

会社だけでなく、可能な限り業種も様々なものを選ぶことではじめて分散によるリスク軽減ができます。

・個人的な目安としては分散投資をするなら100社程度はほしい

・間違いない分散投資をしたいなら投資信託やETFで全世界または国まるごとに連動するものを購入

 

おわりに

株式投資をする目的は人によりけりです。

「最悪なくなってもいいから一獲千金を狙いたい」と思う人もいれば、「堅実に資産を増やしたい」と思う人もいます。

株式はリスクのある資産です。

どれだけ工夫しても元本割れリスクは必ず存在します。

長期投資もこれまでの実績では失敗していないものの、未来永劫安泰とは言い切れません

どこまでのリスクを許容するのか、どれだけのリターンを求めるのか、答えは人によって異なります。

自分がどこまで許容できるのか自分で考え、投資するようにしましょう。

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