【銘柄分析】中部電力(9502):海外戦略も期待の電力インフラ

本記事は銘柄に対する記載も含みますが、投資を推奨するものではありません。
また、本記事の内容は投稿時のものとなるため企業データの最新情報と異なる可能性があります。
あくまで自己判断での投資をしていきましょう!

今回は中部電力です。

東京電力が東日本大震災以降振るわず、関西電力は不祥事もあってなかなか買いづらいものがあります。

そうなると電力会社で投資対象として出てくるのは中部電力(と電源開発)といったところ。

昨年からプロ野球のセリーグの冠スポンサーとしてJERAが契約しており「JERAセ・リーグ」となっているのですが、JERAは東京電力と中部電力が50%ずつ出資している、東電・中電の発電事業を担う会社です。

先日紹介した日本エスコンと同様にプロ野球開幕ということで、今回は中部電力を紹介します。

 

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2020年度決算発表の分析を以下の記事で行いました。

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事業概要

会社名中部電力
業種電気・ガス業
特徴東京電力、関西電力に次ぐ電力3位の会社です。
オランダの総合エネルギー会社であるエネコを三菱商事と共同買収するなど、M&Aによる海外展開も行っています。
株価(投稿日時点)1464円
配当月3,9月

 

総合評価:101.84ポイント(6位/2717社中)

脱炭素や電力自由化、原発停止など逆風は強いが、腐ってもインフラ。
東電・関電に期待しづらい今中部電力への期待は相対的に高まる。

なんだかんだ言っても、ディフェンシブ銘柄であることは間違いありません。

冒頭にも書いた通り電力首位の東電は東日本大震災以降賠償も抱えており当然無配、関西電力も福井県高浜町の元助役から幹部が多額の金品を受領していた問題がありイメージがかなり悪い中で、注目している銘柄です。

 

 

 

現在の収益構造としては発電・販売がメインで、利益の半分を占めています。

しかし自動車の脱炭素化があるとはいえ国内の電力需要が急激に増えることは考えづらく、一方で電力自由化によって販売部分については右肩下がりの業績が予想されます。

また、2020年末から2021年初頭に発生した電力需給圧迫もあり、今後安定供給のための圧力は更に高まる(=採算としては悪化する)ことが予想されます。

Yahoo!ニュース

 「まさに綱渡りの状態だった」。首都圏の電力供給を担う東京電力パワーグリッド(PG)の田山幸彦・系統運用部長は2020年…

 

そのため、今後の発展のためには別分野での取り組みが必要です。

中部電力では海外事業の成長新成長分野の創出で事業全体の成長を計画しています。

(中部電力グループグループレポート2020より)

電力会社のイメージとしては良くも悪くも安定というのがありますが、今後の計画を見るとアグレッシブであることが見えますね

 

海外事業としては大きなニュースとしては2020年のオランダの総合エネルギー会社であるエネコ買収がありました。

ヨーロッパへの足掛かりとしても、ESGも意識した今後のシナジー効果への期待としても、ぜひとも拡大させてほしいところ。

また、複数の国でインフラ事業としてのコンサルティングも展開しており、種まきは順調なのではないかと考えています。

(中部電力グループレポート2020より)

 

配当のポイント:今の利回りはどうか、今後増配しそうか?

2014年に無配も電力料金上昇により業績改善しその後は連続増配。

配当指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

先日KDDIの銘柄分析について投稿してみました。 今後も似たようなかたちでいろいろな銘柄について書いてみようと思っていま…

利回り(投稿日時点)3.42%
配当推移(2016年~)25円(2016)→30円(2017)→35円(2018)→45円(2019)→50円(2020)→50円(2021予想)
2016年からの増配率+100%
2018年からの増配率+43%
配当姿勢安定配当の継続を重視。ただし電力の安定供給と成長分野への投資を最重要視して株主還元については優先しない方針。

<株主還元に関する考え方>

・電力の安全・安定的な供給のための設備投資を継続的に進めつつ、成長分野への投資を推進することで、持続的な成長を目指し、企業価値の向上に努めてまいります。

・株主還元については、重要な使命と認識し、安定的な配当の継続を基本としながら、利益の成長を踏まえた還元に努め、連結配当性向30%以上を目指してまいります。
(2019年度決算説明資料より)

よくある企業ではリップサービスの部分も含めて株主向け資料では株主還元を最重要と書くことが多いのですが、安定供給・成長分野への投資を優先する姿勢を明確にしています

投資家としては残念な気持ちもあるものの会社の立場としては妥当ですね。

 

近年着実に増配しているようにも見えますが、2012年には1株あたり60円、2013年も減配したとはいえ1株あたり50円の配当が出ておりやっと2013年の基準に戻ったというのが正確です。

東日本大震災後の原発停止による採算悪化を値上げで乗り切っておりこれ以上の増配となると値下げ圧力がかかる可能性もあります。

実際に昨年の配当は目安となる配当性向30%を下回る23.1%でした。

直近数年の増配についてはあまり見込みづらいようにも思えますが、2021年3月決算で増配が発表されるか注目です。

 

 

財務のポイント:業績が悪化しても事業を継続できるか、配当を維持できるか?

安定的な収益基盤により営業キャッシュフローは黒字だが、先行投資が多いためフリーキャッシュフロー赤字は多い。

財務指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第2弾です。 第1弾の配当についての解説は以下をご覧ください。 目次 1 財務のポイントとは?1.…

営業CFここ10年で赤字なし。
フリーCFここ10年で6回赤字あり(2012-2014、2017、2019-2020)。
自己資本比率34.4%
配当性向23.1%

 

冒頭に書いたとおり、今後の成長に向けた先行投資が大きいためフリーキャッシュフローでは赤字が見られます

成長性のポイント:今後事業が成長しそうか?

売上は右肩上がり。投資マンション人気も追い風。

成長性指標への考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント第3弾です。 第1弾の配当についての解説、第2弾の財務についての解説はそれぞれ以下をご覧ください。…

過去3年間の売上成長(1年あたり平均)5.9%
過去3年間の純利益成長(1年あたり平均)14.2%
過去3年間の営業利益率4.4%

 

利益については原料価格の影響が大きいです。

数字の上では売上も成長していますが、今後の新事業・海外展開次第となります。

 

割安度合い:今の株価は割安か?

大手電力会社と比較すると割安気味。

ポートフォリオ運用する上での補正の考え方はこちらに記載しています。

みのかぶ家計簿

銘柄選定の重要ポイント最終回、ポートフォリオ構築のための微調整編です。 第1弾の配当について、第2弾の財務について、第3…

PER(時価総額÷当期純利益)9.6倍
PBR(時価総額÷純資産)0.55倍
ミックス係数(PBR×PER)(※)5.28

※ベンジャミン・グレアム氏が提唱した指標で、企業のBS・PL両方の観点から企業の株価の割安性を見極める指標で低いほど割安となります。
グレアム氏が割安としていた目安は22.5です。

競合となる会社で言うと以下のような数値です。

東京電力:PER -倍、PBR 0.2倍、ミックス係数 –

関西電力:PER 12.4倍、PBR 0.66倍、ミックス係数 8.184

沖縄電力:PER 12.0倍、PBR 0.54倍、ミックス係数 6.48

電源開発(J-Power):PER 9.4倍、PBR 0.44倍、ミックス係数 4.136

 

その他:景気影響は大きいか、セクター的には積極的に購入すべきか。

景気動向に関わらず電気は必要。

業種:電気・ガス業

景気敏感株か:×

 

おわりに

電力・ガス会社は配当も高い会社が多く、高配当投資する上では多少は買っておきたいところ。

とはいえ逆風となる要素が数多いのが悩みどころですね。

かつてのように絶対的にディフェンシブな銘柄とは呼びづらくなってきています

今後原発再稼働ができればぐっと楽になるのですが、現実的な問題としてなかなか厳しいのも事実です。(むしろ毎年のように安全対策で多額の費用が発生する問題児になっています。)

 

とはいえ腐ってもインフラであり、基盤は非常に強いです。

分散投資によってポートフォリオの安定性を高める目的で保有することはアリだと考えています。

 

その他の銘柄分析記事は以下にまとめています。

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